2023年8月1日火曜日

政治は時に立ち止まることを知るべきなのに

 


   このところ赤道直下のような猛暑が続き、帰宅して着替える時に汗でシャツが絡みつき脱ぎづらい毎日です。必死の思いで着替えてからニュースに目を通すと、こちらも絡みつくような政治の話題ばかりで気分が暗くなります。

 マイナンバー法案やインボイス制度、近いうちに国民生活に影響が出るであろう問題が次々と強行されていきます。この頃の政治が何故に国民の方向を向かないのか、立ち止まることができないのか、その理由を考えてみました。

私が思うに原因の一つは【政界と財界の癒着がスゴイ】という事です。例えば、マイナンバーカードに個人情報を集約して、それをデータとして民間企業が利用できるようにする。これの達成の為に財界(大企業の社長さんチーム)から政界(時の与党)へ何億円という献金がなされ、政界は事業として財界に発注して税金から何百億円支出するという構図です。

ですから、トラブルがあろうが国民の不安が解消していなかろうが、財界とのお約束の時間というケツが動かせない事態になるのではないでしょうか。政界が一部の国民の方しか向いていないので、我々の実感としても国民に寄り添う政治とは思えず政治不信・政治的無関心が進んでしまう悪循環から抜け出せません。

インボイス制度も同じです。今まで免税だった業者からも消費税を取るようにするわけですから、つまり増税です。国民は誰も喜びません。そもそも消費税導入時に歓迎した国民はいるのでしょうか?3%から5%・10%と税率が上がった時、「税率が上がって本当に良かった」と思った国民はいるのでしょうか?喜んだのは消費税が上がるたびに法人税を下げてもらえる財界だけではないですか?

20年前に小泉内閣が構造改革とぶち上げて規制緩和を始めました。それまでは社会の根幹をなすところは厚く守られていたわけですが、出来ることは民間への合言葉でドンドン投げ売りされていきました。派遣労働が次々に解禁されていったのも同じ頃です。これらも喜んだのは国民ではなく財界でしょう。市場原理に任せて民間に競争させ、勝者だけトコトン儲かるシステムが資本主義です。おかげ様で市場において安く買い叩かれる労働者の給料は20年間に渡り横ばい、そして今、ウクライナ戦争などの影響で物価だけが上がってしまい我々は虫の息です。本当にありがとうございました。

資本主義とは生産手段を私有する資本家が、労働力以外に売るものを持たない者から労働力を買い、プラスαの価値を持つ商品を作ってピンハネするという事です。社長にならなければ希望はありません。社長も勝ち続けないと生き残れません。家族が暮らしていけるだけの畑があれば誰も他所へ働きには行きません。しかし広大な土地を独り占めする王様が現れれば、彼の土地で彼に従って働くしかなくなるわけです。

そういう行き過ぎてしまう資本主義をコントロールするのが本来の政治です。営利目的の資本家達に経済的にコントロールされないように、そして競争に敗れた者の命も守るのが政治の役割です。今の日本はそうなっていますか?いないから息苦しいし、希望が持てないんだと思います。

資本主義の競争をより激化させるのが【新自由主義】です。公務員を減らし、民間企業の参入を促し競争させ経済をより強くする。果たしてそうなりましたでしょうか?小泉内閣の頃から勢いを増したこのやり方が国民を貧しくしたのは今の現実を見ればわかります。それなのにまだその路線を力強く進めようとしている政治家たちがウジャウジャいます。「なすに任せよ」の精神で政府は個人や企業に干渉しない小さな政府という路線です。

これを押し進めた大阪ではコロナで大勢の死者を出し、小泉改革で民営化された郵便局のサービスは低下しました。今でも竹中平蔵氏を筆頭に新自由主義の流れは健在です。究極まで行ってしまい、国(政府)と資本家(財界)が癒着すれば国家独占資本主義の完成です。儲け第一の資本主義の最高形態!資本主義の維持のため財界が国家権力を操る社会です。そんな社会では大社長以外に幸せはないです。皆さんが恐れる独裁政権です。

暴走する社長にブレーキをかけ、何事も行き過ぎないようにバランスを取るのが政治です。日本共産党が財界言いなりの政治を変えると言っているのはこういう意味です。

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