前文 日本共産党のこと
今回はいつもと趣が違います。これから書くことは非常にややこしい話ですが、私が日本共産党で活動を続けられるベースとなっている大きな部分についてです。今年4月の名古屋市議選挙で日本共産党の候補者として選挙戦の前面にたった体験で、私はますます思いを強くしたことがあります。
私は、党の見解・結論を繰り返すだけではなく、「共産党は嫌いだ」「いい感情が持てない」という大勢の国民意識がどこから来るのかを丁寧にたどり、正しく知っていただくという事が必要だと感じています。その結果として、「どこかのデマ攻撃」なのか、「まっとうな意見」なのかは個人の判断にゆだねようというスタンスです。中国や北朝鮮ではないとの自信があるからですね。売国政党でも、外国勢力でも、暴力的でも全くありません。
この部分は日本共産党とは考えが違うということは当然あるでしょう。それは仕方ありません。しかし、最初から論外ではなく、選択肢の一つとしてまずは知ってもらうプロセスこそが大切だと思っています。日本共産党は今日より明日の生活が素敵になり、生きていて良かったと思える社会を目指しています。もし良かったら選択肢に入れて下さいね。
共産主義の究極は、解決しなければならない問題の起きない社会=ユートピアです。その日が来たら日本共産党はお役御免です。まるで中二病ですがお許しください。
今回、党創立101年の歴史を振り返って見えてくること、ぜひ知ってほしいことを三部にわたって書いてみました。少しずつ書いてはアップするつもりでしたが、流れをわかりやすくするために長編として完成させたので、あまりにもやることが無くて危機感を覚える時に気合いを入れて読んでください。メチャクチャ勉強した気分になれると思います!
第1部 平和を望む党がなぜ門出から「非合法」なのか
日本共産党は7月15日で101周年を迎えます。世界的に見てもここまで長い期間、一度も政権に就くことなく存続している党は数えるほどしかないでしょう。企業団体献金や政党助成金を受け取らず、また、ある特定の団体の代弁者に成り下がるようなこともなく、当然、利権・既得権益とも無縁です。よくぞ今まで潰されずに生き残ったものだと思います。
結党以来、国民の苦難の軽減を目的に国民の皆様に支えられて活動を続けて来ました。長く活動しているとだいたい堕落して汚職にまみれたり、非合法なことに手を染めるようになるものですが、日本共産党は何と!結成当時が非合法で、その後に合法組織となったレアパターンです。その理由をお話しします。
そんな時代に何を主張して党を作ったかと言えば・・・
・君主制の廃止 ・貴族院の廃止 ・18歳以上の男女に普通選挙権 ・軍隊や憲兵の廃止
・集会や結社の自由 ・8時間労働制 ・社会保障充実(失業手当等) ・最低賃金の導入
・累進課税制度 ・小作地の耕作農民への引き渡し ・外国に対する干渉の中止
しかし、皆さん。そんな時代に絶対主義的天皇制(現在は象徴天皇制で、日本共産党はこの制度に反対はしていません)を改める為に結社して集会を開いていたらどうなります?無事では済まないですよね?認められるはずないですよね?ですから非合法組織としてのスタートになりました。
結党3年後に成立した治安維持法により「完全無欠」の非合法組織とされてからは、摘発・弾圧のための言いがかり・内部かく乱のためのスパイ工作等、本当に何でもありでした。その結果、幹部は軒並み逮捕され、お家断絶寸前まで追い込まれました。逮捕されても信念を変えないので拷問され亡くなった党員も大勢います。それでも社会を変えるため(革新)、既存の体制側に迎合(保守)せずに頑張りました。
第2部 苦難、時に混乱、でも一筋の道を
より良い社会と暮らしを求め革新の道を行く日本共産党。ジリ貧が見えていても体制を変えられない保守。とは言え、その体制側には警察・軍隊・政治家・財閥と全てが揃っていますから、なかなか一筋縄ではいきません。はっきり言って強すぎです。
しかし、その体制も揺らぐ日がきます。太平洋戦争敗戦です。戦争が終わりアメリカGHQにより軍隊や財閥は解体され、治安維持法も撤廃、日本共産党は晴れて合法政党になりました。天皇の名の元、国民に苦難を強いる無謀な戦争をやるべきではないと主張していた非合法政党が、皮肉にも国民の苦難を極めた敗戦という形で合法政党になりました。世間に舞い戻った日本共産党は国民主権と議会制民主主義を柱とした新しい日本の土台となる独自憲法草案を発表します。当時、国民主権を明記した唯一の憲法草案でした。
この草案ではのちに現憲法に盛り込まれる民主的な原則の大半がすでに主張されていました。いま、私たち日本共産党が「憲法守れ!」と声高に訴えるのにはこうした歴史的背景があります。憲法9条については当時も今も、他国に干渉するための軍隊は要らないが「自衛権は国家に固有の権利である」と言う立場です。そして国民の合意で決められたことは100%遵守しようという姿勢を貫いています。国民の合意を大切にし、決められたことは守るという日本共産党の真面目さが表れていると、私は思っています。
しかし、次なる苦難に見舞われます。日本共産党がアメリカのポチにならないと気付いたマッカーサーが「オーマイガッ」と言ったかは知りませんが、彼により国会議員24名が公職追放になります。権力が天皇からアメリカに移っても再び逮捕の危機です。それを機に多数の党幹部が独断で党を割ってしまい、分派・分裂・海外脱出とまたも「お家断絶」の大ピンチ。ここに来て、その幹部達は「政権は鉄砲から生まれる」という中国共産党の武装闘争の押し付け(というか、横ヤリ)まで受け入れてしまいました。当然ながら武装闘争路線は全く国民の理解は得られず議席壊滅、おまけに破壊活動防止法の制定により調査・監視対象とされてしまいます。
この時、武装闘争路線は誤りと断言し、割れた主流派に追随せず腰抜けと罵られながらも、党の正常化に尽力した人達の努力が実り、いまの日本共産党があります。逆に武装闘争で強くなれると思った彼らは今、もう存在しません。その末裔は細々とどこかで何かしているかも知れませんが、凡そいまの日本共産党とは1ミリも関係ありません。
戦前から反戦・平和を訴え、国民主権と個人の自由な発展を謳い、科学的社会主義と議会制民主主義を土台に国民の苦難を軽減し、実りある豊かな社会を目指しているのが私達、日本共産党です。
ドラマチックな日本共産党ですが、サンフランシスコ講和条約により日本の主権が回復すると公職追放も解除され、ソ連や中国から干渉を受け別路線へ行った人達も去り、いよいよここに反省からの再出発を迎えます。結党以来の志のもとに残った人達は、暴力をともなう道は今後も一切放棄し、他国の干渉も一切受けない自主独立路線をゆくことを誓い、今に至ります。党外からの干渉に敏感過ぎると時に言われるのも、分派活動を許さないのも過去の反省からです。内側からズタズタになった経験を繰り返すまいという思いからルールを作りました。日本共産党には独裁的な決定が絶対に出来ない民主的なシステムがあり、自分のポスター1枚作るのにも三ヶ月かかるくらいです。党内にすら閣議決定はありません。やったらみんなメチャクチャ文句言うでしょう。
共産主義とは未来を共に産み出す理想社会のことです。国民の議論抜きには何も進みませんし、そうした議論を封殺したり、国民を統制することもありません。国民の苦難を軽減し、個人の能力の自由な発展を目指しているのに統制するなんて真逆です。能力があるのに生まれや育ちといった環境で潰れてしまうのはもったいないと言っています。悲惨な労働環境で働き続けるしか命が繋げない社会はおかしいと言っています。確かに理想論ですからお花畑と言われるかもしれません。でも、理想を語り目指すことは自由じゃないですか。101年の間、叶ってはいないけど一歩一歩近づいています。(この頃の政治は一歩後退気味で、この流れを止められないことが歯がゆいですが)
この活動こそが日本共産党そのものです。政治に興味がありこれをお読みいただいている方は「なるほど!」と膝を打っていただけたと思います。潰れずにやってこられたのはまず第一に国民のいのちと暮らしを守る為にやってきたからではないでしょうか。だって私達は権力の座に就いたことは一度としてないわけですし、完全に自主独立でやっていて無防備ながら潰えないのはそれ以外に説明がつきません。
いまや時代は大正や昭和ではありません。激動の時代は過ぎ去りました。私達も過去のトラウマからは脱却して新しい道を拓いていくことは待ったなしです。弾圧を恐れて変節したり外国勢力に篭絡され、ドネルケバブのように香ばしいかおりを残してそぎ落とされていった人達も、元々は理想社会を追い求めていたのだと思います。
私自身がドネルケバブのように焼かれた時には、ピタに挟まれて退場する覚悟です。志ある皆さんと共に、成熟した社会のその先へ踏み出せる102年目になるように頑張ります。
長文をお読みいただきありがとうございました。今日はブルーベリーで眼精疲労対策をお勧めします。
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