2023年5月21日日曜日

「竹」の正体

  いま私が貸してもらっている家には車2台分ほどの裏庭があります。去年の夏、初めて見学に行った時は、裏庭への扉を開けたところから文字通り一歩も踏み込めない密林でした。まさに植物の壁状態で、光すら遮る密度で繁茂する竹のような背の高い植物の密生に、私は自然の猛威を感じました。環境を破壊して開発する人間ですが、ひとたび管理保全を止めてしまえば植物の生命力は人の営みなど途端に飲み込む力強さがあると感じます。

  当時、特に庭が必要な暮らしをしていなかった私は、庭は無いものとして暮らそうと思っていました。しかし、引っ越し前のある日、家の前を通りかかると玄関がワイドオープンしていて人の気配があります。思わず中に入ると高齢の職人がひとり、額に汗して作業をしていました。そして室内が見学時より圧倒的に明るい!!

  なんと大家さんが配慮してくれて、密林の伐採を近くに住む職人に依頼してくれていたのです。連日猛暑となった昨年8月に、後期高齢者まであとわずかという職人がたったひとりで45リットルのゴミ袋70袋分の密林を更地にしてくれました。職人は日本共産党とは関わりがない方だと思いますが、その姿は日本共産党名物の真面目な高齢者そのもので後光がさしておりました。

  本当に草の根ひとつ残さない仕事ぶりで、裏庭から緑色という要素が根絶されました。そして、サプライズというのか、長く樹海の中にあった石灯籠付きの日本庭園が姿を現し私を感動させました。秋に月見がしたくなる雅な庭です。

  しかし、大変残念なことに月見の季節の終わりと共に突然その職人さんがこの世を去りました。うちの日本庭園を復活させたのが最後の仕事となったようです。私は一期一会の縁を噛みしめて日々庭を眺めていましたが、統一地方選も終わった4月中頃になり見逃せない変化が現れました。

  再びあの「竹」が生えてきたのです。あっという間にあちこちから。なぜか巨大な葉を持つ南米の植物みたいなのも「コモ エスタス?」(元気ですか)と現れました。職人の成果を管理保全しなくては!と狼狽した私は除草剤を撒きました。しかし全く効かないどころか、日本共産党のご婦人に『除草剤は土を殺すからダメ!草むしりしてプチトマト植えなさい。美味しいから!』と怒られる始末。

  私は額に汗して「竹」をむしりました。竹にしては意外なほど柔らかい素直なやつでした。「南米」もむしりました。気になった私は彼らの正体を探りました。その結果、南米はいまだ不明ながら、「竹」の正体は掴むことができました。

  彼の名は【トクサ】 思えば雅な日本庭園の傍らで見たような気がします。注意書きに「覚悟をもって植えなければならない」とありました。

 「百聞は一見に如かず」、「経験に勝る勉強は無い」・・・
、いろいろな言葉が浮かびます。今後の管理保全を考えてプチトマトの揺れる日本庭園にするのか、センスが問われることになりそうです。



2023年5月17日水曜日

戦争反対貫いた大先輩。「志半ば」にも程がある無念の訃報

 


皆さんも良くご存じの通り、日本共産党の高齢化率が高まっています。幸いにして元気な方が多いので悲壮感はまだありませんが、このまま高齢化だけが進めば日々の活動にも支障をきたすようになるでしょう。私は党内では若手と言われますが、それでも44歳ですから世の中一般には十分にオッサンです。

 年齢から言えばまだ党員の葬儀に参列する可能性の方が高い私ですが、少し前に参列した葬儀では誰にでも平等に訪れる最期の時というのを考えさせられました。今までは自分の死など想像すらできなかったものですが、妙にリアルな光景が浮かぶようになったのも歳を重ねたからかもしれません。

 今、入管法改正の問題で世間が揺れています。難民申請を3回以上している者の強制送還を可能にするそうですが、母国に送還されたらそれは死を意味する人もいるでしょう。少なくとも良いことは起こらないわけです。まだ歳を重ねていないのに死をリアルに想像できるというのは悲しむべきことですよね。痛いのは自分じゃないので構わないという態度、私は取りたくありません。

 自然の摂理で順番が来ることは避けられませんが、その時が唐突に訪れるというのは本人にも身内にも簡単に受け入れられるものではないでしょう。事故・事件・戦争など、その理由は様々です。ですから人類は事故・事件・戦争が起こらないように努力するし、起こりそうな気配があると不安になるのだと思います。事故・事件・戦争が起きて良かった人などいないはずです。もしいるなら、それは人ではない。政治は人が行っているからこそ、それらが起こらないように全力を尽くしているわけです。

 特に日本共産党はそのことに特化していると言っても過言ではありません。国民の苦難の軽減、憲法の遵守、基本的に言っているのはこれだけです。戦争などの苦難を生み出さない、生活苦により進学を諦めるような苦難を無くす。共産主義社会とはみんな同じの平等社会ではなく、苦難なく自分の可能性を追い求めることが自由にできる社会です。

 日本共産党はそのような社会を実現するために科学的社会主義という理論を元に、暴力によらず、議会で民主的に多数の賛同を得られるようになることを最大目標にしています。ロシア・中国・北朝鮮などは全く共産主義を目指していませんので、実は彼らからすると我々は敵ですらあるわけです。

 今日、私の元にまた一件の訃報が届きました。大変尊敬できる方でした。自分を犠牲にしてでも地域が良くなるように尽くし、戦争反対の声を生涯貫いた方でした。今の日本の状況を思うと志半ばにも程があると思います。

 その遺志を継いでいくのが次世代の使命だと思います。私はまだまだ力不足ですが、理想社会を目指して頑張ります。ご冥福をお祈りいたします。